ARCELF POP-UP at Place des Vosges, Paris

Vol. 007

ARCELF POP-UP at Place des Vosges, Paris

2026年9月10日(木)から13日(日)まで、パリ・マレ地区のPlace des Vosgesで、ARCELF初のPOP-UP STOREを開催しました。

Bijorhca Parisでブランドデビューを果たした、その翌週。

ここでは、ARCELFのジュエリーを実際に手に取り、身につけるだけでなく、その背景を知り、その世界観に触れていただける場所をつくりたい。そんな思いから、4日間だけの空間をパリにひらきました。

ARCELFのジュエリーが生まれる背景には、日本の工芸との出会いがあります。

その工芸の背景には、職人の手仕事はもちろん、素材や道具、そして長い時間をかけて受け継がれてきた技術がある。だからこそ、完成したジュエリーだけをご覧いただくのではなく、一つひとつの作品が生まれるまでのプロセスや、その背景にある物語、細部にまで息づく日本の職人の繊細な手仕事まで含めて伝えたいと考えました。

ギャラリーには、デビューコレクションの着想源となった西陣爪掻本綴織の工房で撮り下ろした写真や映像、山梨県甲府でジュエリーを手がける職人の制作風景に加え、西陣の工房からお借りした綴織の作品や帯、糸、道具などを展示。工房の作業音をもとに制作したオリジナルサウンドによる空間演出も行いました。

ジュエリーを入口に、ファウンダーである私が生まれ育った京都の空気や、日本のものづくりの奥深さ、工房に流れている時間まで、少しでも感じていただけたら。

そんな思いから、ARCELFが大切にしているものを、空間そのものを通して体感していただける場所を目指しました。

POP-UPには、4日間で約200名の方が足を運んでくださいました。

フランス、日本、アメリカ、英国、香港、中国、スペイン、UAEなど、国籍も年代も本当にさまざま。ひとつひとつのジュエリーを手に取り、表面の仕上げや細部までじっくりと眺め、実際に身につけながら、その繊細な手仕事に触れてくださる姿がとても印象に残っています。

実物を前にすると、そこから自然と会話が生まれていきました。
なぜこのブランドを始めたのか。どのような職人がつくっているのか。そして、なぜ工芸をジュエリーとして表現しているのか。

ブランドブックを一緒に開き、工房の写真を見ながら、一つひとつの背景についてお話しする。そんな時間を、4日間のなかで何度も重ねました。

そのなかで、ある方がARCELFのものづくりを、“Craftsmanship inspired by craftsmanship.” と表現してくださいました。

工芸をそのままジュエリーへ置き換えるのではなく、実際にその土地や工房を訪れ、そこで見つけた美しさや、職人との対話から受け取ったものを、ジュエリーへと再編集していく。

まさにARCELFが大切にしてきたものづくりのあり方を、初めて出会った方の言葉によってあらためて捉え直したような感覚がありました。

そして、同じように心に残っているのが、「和柄を使っていないのに、日本を感じる」「華やかだけれど、どこか静けさがある」という言葉です。

素材との向き合い方や、細部にまで手をかけること。ものが生まれるまでの時間を大切にすること。余白や光、わずかな違いの中に美しさを見つけること。

私たちがものづくりのなかで大切にしてきた感覚まで、国や文化を越えて受け取っていただけたことは、私にとってとても大きな出来事でした。

ARCELFが届けたいのは、ジュエリーそのものだけではなく、その背景にある文化や技術、つくり手の感性まで含めた体験です。

ものが生まれる背景や、その土地の空気、つくり手の感性まで含めて、ひとつの世界として届けたい。今回のPOP-UPでは、写真や映像、音だけでなく、花や和菓子にもその考えを重ねました。

空間を彩る花は、パリで暮らす日本人の方に手がけていただき、お客様へのおもてなしには、パリで活動する日本人の和菓子職人の方とともに、9月の季節を感じていただける上生菓子をご用意しました。

つくり手と対話し、それぞれが持つ技術や感性を尊重しながら、そこから新しいものを生み出していく。それはジュエリーに限らず、ARCELFがこれからも大切にしていきたい姿勢です。

私たちは、ただジュエリーをつくるだけのブランドでありたいとは思っていません。

日本各地に受け継がれてきた文化や技術、ものづくりと出会い、それを現代の感覚で再編集し、世界へとつないでいく。ARCELFが、つくり手や文化と新しい人との出会いを生み出す、ひとつのハブのような存在へと育っていけたらと思っています。

そして、4日間を通してあらためて強く感じたのが、実物を見て、触れていただくことの大切さです。

何度もいただいたのが、「実物の方がずっと美しい」という言葉でした。

写真では伝えきれない重さや質感、表面に生まれる繊細な光、手にしたときの感覚、身につけたときの佇まい。ジュエリーには、実際に目の前にして初めて感じられる美しさが確かにあります。

実物を見ていただく意味は、ジュエリーそのものの美しさを感じていただくことだけではありません。

作品を前に言葉を交わすことで、なぜこの形が生まれたのか、誰の手によってつくられているのか、そしてARCELFが何を大切にしているのかまで、より深く知っていただくことができる。

作品の美しさと、その背景にある時間や人の手、物語がつながったときに生まれる感動があるからこそ、オンラインで世界中へ届けられる時代にも、実際に見て、触れて、対話できる場所を大切にしていきたいと思います。

そして今回の4日間で何より嬉しかったのは、ARCELFが大切にしてきた思いが、国や文化を越えて伝わっていると感じられたことでした。

日本の工芸を、現代を生きる人に選ばれるものとして再編集し、その背景にある技術や美意識とともにアーカイブしていく。その先で、工芸や職人の仕事に興味を持ち、背景にある物語まで知ろうとしてくださる方がいる。

ブランドを始める前に思い描いていたことが、少しずつ現実になっているように感じた4日間でもありました。

Place des Vosgesで生まれた出会いや対話を、次のコレクションへ、そして次の場所へ。

これからもARCELFらしい形で、日本の文化やものづくりを未来へつないでいきたいと思います。

ARCELF POP-UP STORE IN PARIS
2026.9.10–13
Espace Sylvia Rielle, Place des Vosges

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